積算賃料の基礎価格

またまた間隔が空いてしまいました。
今週末は19年度の短答式試験ですね。昨年の鑑定理論は初お目見えということもあって比較的平易な問題でしたが、今年はどうなるのでしょうか?

さて、今日は先日ご紹介したサイト「田原都市鑑定株式会社」のコラムを読んでいて思ったことを書いてみようと思います。
そのコラムはこちら→ŠÓ’èƒRƒ‰ƒ€なのですが、「積算賃料の基礎価格について」書かれています。

内容としては、誤った基礎価格の求め方が蔓延していて、鑑定士のみならず、鑑定評価を元に判決を下す裁判官にも再認識を促したい、さらには鑑定評価基準の改定も必要である、というものです。

読んでいただけばわかりますが、誤った基礎価格を求めることにより賃料が高く試算されてしまうことについてわかりやすく記述されており、このような求め方がまかり通り、裁判の判決にまで影響するというのは非常に憂慮すべきことだと思われます。

ただ、筆者の方は

『鑑定基準』は基礎価格を原価法で求めよといっており、積算価格を基礎価格にせよといっているが、原価法の積算価格の採用は上記例示で述べたごとく誤りの部分があり、正しくないということである。

(以上、引用です)

とおっしゃっているのですが、私が思うに、基礎価格の算定に原価法を用いること「自体」は理論的に誤りとはいえない気がします。このコラムのなかの例で基礎価格の求め方として誤っているのは、「原価法による積算価格を基礎価格とせず、再調達原価を基礎価格としている」ことではないでしょうか?
ある土地に建っている建物が、容積率を十分に使い切っておらず、最有効使用と認められないのならば、再調達原価を求めた後『建物と敷地との不適応』として減価修正をして積算価格を求めなければならないところ、再調達原価を求めるだけでそのままそれを基礎価格に採用しているから、基礎価格が高く算出されているのではないでしょうか。

原価法において、建物と敷地の不適応があれば減価すべきことは基準に書いてあり、本件については基準どおりに手法が適用されていないことが問題であり、基準の内容に誤りはないと感じたのですが、どうでしょうか。

◎今回も例によって自分の理論に自信がありません。私の意見に論理矛盾などが発見された方、ぜひコメント欄にて教えてください。また、この件について何かご意見あるかたもぜひコメントください。