継続賃料、こんなとき(2)

これの続きです。
継続賃料、こんなとき

もう考えるのよそうと思うんだけど・・^^;

継続賃料というとやはり、紛争となって調停や裁判に結論をゆだねられることが多いと思います。そこで法的に賃料増減額がどのような場面で認められているかというと、借地借家法には

(借賃増減請求権)
32条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

・土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動で、又は
・近傍同種の建物の借賃に比較して

「不相当と『なった』とき」

とあります。
私はこれを『元々の契約は尊重する、でも経済情勢などが変化して、それを維持することがふさわしくないなら、改定を要求できる。』と解釈しています。(間違ってるのかな・・)

前回提示したケースでは、公租公課や土地価格はむしろ上がっており、それによって不相応に「なった」というより、むしろ正常水準に近づいているわけです。
また近傍類似の土地の地代等に比較して不相応に「なった」のかというと、これもやはり、相応に近づいたのであって、前に比べて不相応に「なった」という事実はありません。

近傍類似の土地の地代等に比較して不相応「である」という事実はありますけどね。これをどう見るか、私は条文を見る限り経済情勢や環境の「変化」を基準にしていると思いますので、元々どうだった、というのはあまり関係ないかなと。

ですから、仮にこのケースで「賃借人」のほうが「高いから減額してくれ」と請求したとしたら「理由が無い」といって請求が認められないのでは無いでしょうか。(不相応に「なった」といえないからです。)

では、逆に賃貸人が、「不相応になったから増額してくれといったとき」これがすんなり認められるか?といえばまた微妙な感じがします。
「そういってもまだ普通より高いんだし、とりあえず据え置きでいきましょうや」なんて説得されて据え置きかな(笑)

調停という場であれば、こんな感じでうまい具合に落としどころ探っていけばいいんでしょうけど、じゃあ、鑑定したらどうなるか?というのは全くこれとリンクしているわけではないですよね。

紛争になる前に当時者同士で話をつけて「鑑定評価額で改定しますので鑑定お願い!」なんて言われた時、どういう賃料を出すのが正解か?

当事者が、できるだけ「なるほど!」と納得して改定できるような結果を出したいわけで・・

例えば前回の例では、経済が右肩上がりの状況を想定しました。これが全くの変動なし、物価も地価も公租公課も全部平行線だったとき、10年後、継賃下げるべきですかね?もし差額配分法を重視するなら、下げるべきになってしまいますね。(建物の減価分だけはしょうがないけど)

私の結論は書きませんけど、奥が深いなあ・・(しみじみ)。