事情補正って?Ⅱ

事情補正って?Ⅰ - 不動産鑑定士への道(受験〜実務修習)

前回の続きです。

基準の留意事項には事情補正について以下のような説明がなされております。

事情補正について
事情補正の必要性の有無及び程度の判定に当たっては、多数の取引事例等を総合的に比較対照の上、検討されるべきものであり、事情補正を要すると判定したときは、取引が行われた市場における客観的な価格水準等を考慮して適切に補正を行わなければならない。

太字の部分に書いてある内容、私は受験生の時はあまり深く考えてなかったのですが、前回私が書いたような事情補正ではこれを全く考慮していないことになります。
取引当事者の「何割高かったとか安かった」という感想をもってそのまま事情補正率としてはいけないようなのです。

つまりはたとえ取引当事者が、「相場は平米あたり50,000円だと思っていて、75,000円で買ったから50%高く買った」と思っていたとしても、事情補正を行う際にはその50%をそのまま採用してよいわけではありません。(と留意事項に書いてあります。)まず、「取引が行われた市場における客観的な価格水準等を考慮」しなければならないのです。
つまり、「価格水準としては平米あたり60,000円であるから、75,000円で買ったのならばせいぜい25%増し」という判断を鑑定士がすることになるという話です。

これ、どうですか?なんかおかしくないでしょうか^^;どうやってその客観的価格水準を把握したのか?

なにか「鶏が先か、卵が先か」といった感じになっているような気がします。

つづく