登録するのにもお金がかかる・・

先日、実務修習の修了証なるものも届き(試験の合格証書は筒入りでしたが今回は無し)、いよいよ不動産鑑定士の登録の作業に取り掛かりました。
久しぶりに履歴書を書かされたり、「身分(身元)証明」やら「登記されていないことの証明」やら普段なじみの無い書類を各方面に申請し、やっと準備が終わりそうです。

一番想定外だったのは、鑑定士の登録を受けるのに「登録免許税」が必要であること。資格といえば簿記2級ぐらいしか持っていない私は、まさか資格の登録をするのに税金を払わなければいけないなどと、想像もしていなかったのです。

その額なんと60,000円!

いや〜前にも書きましたが、考査受験でも約6万円払って(東京への交通費込みですが)いたので、じわじわとボディーブローのように・・。

まあ、これ自体が高すぎる!といったものではないですが、ちょっと驚いてしまった、という話でした。

第2回修了考査の結果

とりあえず、修了考査は合格することが出来ました。
またお祝いのコメントなど頂き、ありがとうございました。

今回の修了考査の結果を振り返ってみたいと思います。

■合格率
受験者 300名
合格者 261名
合格率 87.0%

「前回は通しすぎたという認識らしい、今年はさらに絞ってくる・・」こんな噂を聞いていたのですが、蓋を開けてみれば合格率アップ、ほぼ9割方合格という結果になりました。まあ、前回は少し考査というものを簡単に見て、明らかに準備不足で臨んでしまった方がいたという話も聞きますので、今年の受験生はその点、教訓にして情報交換、事前対策が十分に出来た結果かもしれません。

■年齢別合格率
30歳未満         100%
30歳以上35歳未満  84.2%
35歳以上40歳未満  91.3%
40歳以上45歳未満  90.9%
45歳以上50歳未満  90.5%
50歳以上55歳未満  64.7%
55歳以上60歳未満  44.4%
60歳以上        60.0%
女性           96.4%

30歳未満は全員合格ですね。50歳を超えると合格率がぐっと下がっています。あと、昨年に引き続き女性の合格率は顕著に高いです。若い方、女性の方は、ほぼ落ちないという結果です。

面接に関して言えば、知り合いで、かなり突っ込まれて「ボロボロだった・・」という感触の方が通っていたり、笑いも起こるようなフレンドリーな雰囲気だったと言っていた方が落ちてしまったり、一概に面接の雰囲気で決まると言うわけでもなさそうですね・・。
やはり23類型の内訳書、鑑定評価報告書の出来というのも加味されているのでしょうか。

第2回修了考査結果発表!(一部修正)

は、明日15時ですが、明日更新できるかどうかわかりませんので(いろんな意味で)早めに一つエントリをあげておきます。

このエントリに関してはコメント欄を開放します(承認制にしない)ので、ご自由に結果、感想など書き込んでいただいて結構です。掲示板的に使っていただいても(コメント者同士でやり取りしていただいても)構いません。

まあ、掲示板ならほかにもあるので需要があるかどうかわかりませんが・・

また、管理人はコメントにレスをしないと思いますのでその点はご了承ください。

第2回修了考査結果 3月24日追記

鑑定協会WEBサイトより

  合格者数等
  受験者300名
  合格者261名
  合格率87.0%

私が聞いていた噂とは違って合格率はあがっています。
私も何とか滑り込んだようです。ホッとしています。

修了考査論文課題で最後までわからなかったこと

指定類型実地演習の細分化類型等が高度利用賃貸の鑑定評価の条件として、想定上の付加条件を付ける場合の留意点について述べなさい

これは第2回修了考査の論文テーマです。

やや難解な感がありますが、要するに
「高度利用賃貸の鑑定評価をする際に、想定上の付加条件を付ける場合の留意点」
を聞かれています。

すると、まず考えなければいけないことは「高度利用賃貸」とは何ぞや、ということ。

もちろん修習生なら実地演習の課題となる類型であるし、大体わかっています。ただ、論文テーマのキーとなる用語ですから、改めて実務修習の用語の定義から引用します。

都市計画法上の用途地域が商業地域で指定容積率が500%以上の地域にあり、かつ、専用面積の過半が賃貸(空室で賃貸可能な部分を含む)に供されている建築物

実地演習で「高度利用賃貸」の課題をやるときにもちょっと引っかかっていたのですが、この定義では不動産の存する地域についての規定(用途地域:商業地域、指定容積:500%以上)、不動産の利用状況についての規定(過半が賃貸)はされているものの、不動産の規模については特に制限がありません。(中・高層であるとか、容積の何%をつかっていること、とか)

私が修習をしている地域では、指定容積500%の商業地域に、低層の店舗なんかが普通にあるんですが、これが例えば賃貸物件だった場合、定義を厳密に当てはめると「高度利用賃貸」といっていいことになると思います。

「いや、普通に考えてそれは違うだろ!」というツッコミはもちろん理解できます。「高度利用賃貸」と言えばある程度高層の商業ビル、500%の容積のうち、そうですね、80%ぐらいは使ってないと、というイメージです。
それは私もそうです。

実地演習の課題では指導鑑定士がそういう物件を選定してくださったので、もちろん低層のコンビニなんてやってません(笑)

ただ、それは個人的に「高度利用賃貸」という言葉の響きからイメージするものであって、定義を一つ一つ拾っていくと、上記のような低層貸し店舗も当てはまってしまうのでは?と思うのですが違うのでしょうか。

この点、論文テーマとして「高度利用賃貸について」と聞かれたときに、定義では「高度利用可能な地域にある賃貸不動産」としか言っていないのに、勝手に「現況、高度利用にある商業ビル」のようなイメージで解釈し、書いてしまっていいのかは、結構悩みました。(この辺は私が変わっているのだと思いますが。)

結局最後まで、その辺はわからず、上記の感覚的な「高度利用賃貸」の定義に当てはめて論文は書いたのですが(そうしないと書けなかった)、実は地域的な限定(用途地域が商業地域で指定容積500%)に大きな意味があったりしたら?というのはちょっと引っかかりました。(周りからの情報でそれは無いことは99%わかりつつですが。)

修習生の方は特にその辺で悩むようなことは無かったのでしょうか?やはり私がこだわりすぎだったのでしょうか?

*この話とからんで、実は実務修習における「高度利用賃貸」の定義について、指定容積だけではなく、現況不動産の使用容積率に関しても指定があったはず、という情報を聞いたのですが、私自身色々な通達などを確認したのですが見当たらずでした。それが事実だとすると通知を見逃して恐ろしいミスをするところでした。

コメントを承認制にしました。(一部修正)

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修了考査で不合格になることについてのロジック

不動産鑑定士の実務修習は1〜3年かけて行われ、講義、基本演習、実地演習を経て、すべてにおいて認定を得た者が修了考査にすすみます。

修了考査は面接と小論文ですが、小論文は事前にテーマを与えられ、1週間程度の時間が与えられるためそれほど差がつくとも思えず、もっぱら面接が主眼になります。

ここで、講義(確認テスト)、基本演習(3回)、実地演習(23類型)、すべて協会から『認定』をもらった人が、最後に面接で落ちるとはどういうことなのか?という疑問が当然浮かびます。つまり与えられたカリキュラムですべて認定を受けた人がなぜ『面接』を受けて落ちるのか。

私が考えていたのは、実地演習における不正が判明した場合。

実地演習の提出物が認定を受けていても、当人がきちんと手順を踏んで作成したものでなければ課題を行った意味が無いわけで、面接で詳細をたずねることで「本当に自分で調査からやったのか?」を確認しているのではないか、それで不正行為が発覚した場合に落としているのではないかという点。

この場合、「認定」そのものに意味が無いのだから落ちてもしょうがない。

しかし、そうではなくきちんとすべて自分で作業し、認定をもらっても落ちる場合がある。矛盾するようにも思うが、これについては受験前にそのロジックが説明された。私の方で要約しますと

実地演習における「認定」は100点とは限らず、ある程度の基準で認定している。しかし、修了考査を受ける時点では求める水準に達している必要がある。従って、「認定」をもらったとしても不十分な点がある可能性があり、その場合は、引き続き研鑽して修了考査までには必要水準を有していなければならない。それが出来ていない場合が、修了考査で落ちる場合

つまり、実地演習を提出しているのは鑑定士になるための途中段階だから、ある程度の出来で『認定』を出している。しかしそれがイコール鑑定士としての実力を有している、鑑定士として十分な成果物であるという意味ではない。だから、全部認定=修了ではない、ということです。

なるほど、よく出来たロジックだと思う。

しかし、そうであるならば、実地演習について認定、非認定と結果を通知するだけでは不十分で、「一応認定だが、この点とこの点に疑義がある」など『出来ていない部分』の指摘を頂かなければ、修了考査までにそれを勉強しなおすことも、身に着けることもできない。
ただ『認定』と言われただけでは「自分の評価書はよくできていたんだな」と思ってしまっても仕方が無いのではなかろうか。

今回、修了考査の前に、実地演習において指摘事項、減点事項になったポイントが公開されました。(協会ホームページで見られます)これは、上記のような指摘を想定しての対応ではないかと思います。見直しておくべきポイントは公開しました、という。

しかし、やはり上記のようなロジックを貫くならば、個別に改善点の通知、指導をしたほうが、不動産鑑定士として必要な力を身につけるという修習の目的を果たせるのではないかとは思います。


*本当は考査の結果発表後にアップしようと思っていましたが、落ちていた場合に「負け犬の遠吠え」のようになるのを避けるため、先にアップすることにしました。